♣️本と写真のブログ@タイ・バンコク

本や写真。バンコクに住む私をON, OFFしてくれるもの。

? 八日目の蝉

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(角田光代)

 

不倫相手の赤ちゃんを誘拐し、

育てながら3年半も逃亡生活を続けた女の話。

そして、その誘拐された赤ちゃんが成長し、

過去に苦しみ、

自分を苦しめてきたその事件に、

ようやく向かい合っていく物語。

 

母親とは、何なのか。

家族とは、何なのか。

どうして、自分だったのか。

 

苦しみ、その度に逃げて、

色々なことに気付かないふりをして、

生きてきた人達。

 

自分だけが苦しんでるんじゃない。

自分を苦しませている、と思っている相手。

その人も、同じように苦しんでいる。

自分と同じように、これまで苦しんできた。

 

血の繋がりなんか、どうでもいい。

みんな、不器用な親で、

未完成の人間。

完成した人間なんて、いない。

 

この小説に出てくる誘拐された赤ちゃんは、

逃亡生活の中で、

女から愛情をたっぷり注がれて育った。

それがすごく救いで、

それだけでいいじゃないかと思ってしまうくらい、

幸せだと思う。

 

誘拐した女が逮捕される時、

子供を連れて行く警察官に向かって叫んだ一言に、

すごく、涙が出ました。