♧ 早く目覚めた朝に
まだ太陽がのぼる前、
めずらしく早くに目がさめた。
しばらくまどろんでいると
昨日目にした風景を思い出す。
そうだ、近くにたしか
大きな湖があったはずだ。
朝もやの中、湖まで歩いてくると、
そこはまるで大きな水たまりだった。
とても静かな、
水の大地だった。
ここでも、あそこでも、
まだ目にしていない色々な生物が
こっそりと呼吸をしている。
きっと私の存在にも気づいていないだろう。
そして、私も、その仲間となる。
一緒に、ひっそりと呼吸するのだ。
どのくらい経っただろう。
やがてうっすらと明るみが差し、
そして、
世界に光が満ちてきた。
静かに、生物たちが動き始める。
今日は、どんなふうに生きよう?
また再び、あたりが静寂に包まれるまで、
時間はたっぷり用意されている。
やりたいことは、たくさんあるんだ。
大きくひとつ、息を吸った。
よし、
今日も、
今日を生きよう。